新庄内科クリニック

富山県富山市荒川の内科、アレルギー科、呼吸器科の新庄内科クリニック

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アレルギーの日(2月20日)・アレルギー週間(2月17日~2月23日)(2023/01/10)

わが国での気管支喘息・花粉症・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に悩まされている患者数は人口の50%以上ともいわれ、今や国民病として重要視されています。

1995年から日本アレルギー協会は、石坂公成先生・照子先生(図1)がIgE抗体を発見され、米国のアレルギー学会でその成果を発表された2月20日を「アレルギーの日」と制定し、その前後1週間を「アレルギー週間」として様々な活動を行っています。

図1
 

石坂公成先生・照子先生は免疫学の国際的権威で、夫婦共にジョンズ・ホプキンス大学医学部教授などの要職を歴任し、パサノ賞(1972年)・ガードナー国際賞(1973年)など数ある賞を共に受賞されました。惜しいことに2018年7月に公成先生が、2019年6月に照子先生が共に92歳で奥様の故郷山形で亡くなられました。

IgE抗体はスギ花粉などの異物(抗原)が体内に侵入すると作られ、アレルギー反応で重要なはたらきをする肥満細胞と結合する物質です。IgE抗体が肥満細胞と結合した状態で、再び侵入した抗原(スギ花粉など)と結合すると、肥満細胞からヒスタミン、セロトニンやロイコトリエンなどの化学物質が放出されます(図2)。これによって、喘息・花粉症・アトピー性皮膚炎などのアレルギー反応が起きます。

図2
 

毎年2月~4月に悩まされる人が多いスギ花粉症はアレルギー性鼻炎のひとつです。2009年3月~8月に約3万人の成人の気管支喘息患者を対象に実施された日本おける鼻炎の有病率調査{State of the Impact of Allergic Rhinitis on Asthma Control (SACRA)}の結果(Allergy 2011; 66: 1287-1295.)によれば、気管支喘息患者の67.3%が鼻炎を合併していることが示されました。また、鼻炎の合併が気管支喘息のコントロールに影響を及ぼし、かつQOL(生活の質)の低下につながっていることも明らかになりました。

ARIA(Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma)では、鼻腔(副鼻腔)と気管支は気道(airway)の基本的構成要素であり、鼻粘膜と気管支粘膜は類似点が多く、上気道と下気道のアレルギー性炎症(アレルギー性鼻炎と喘息)が密接に関連していることからone airway, one diseaseの概念を提唱しています。SACRA Surveyは、日本での全国規模の調査でそれを明らかにしました。

これからスギ花粉症のシーズンがはじまります。富山県の令和5年のスギ花粉飛散量は、やや少なくなると予測され、2月~4月のシーズン中に平野部で1cm2当たり2,800個程度の見込みです。これは、花粉飛散の調査を開始した平成3年から令和4年までの平均値(3,179個 / cm2)の90%程度で、令和4年(5,117個 / cm2)の50%程度の飛散量となります(富山県森林研究所より)(図3)。スギ花粉症は鼻炎と結膜炎による症状に悩まされるばかりでなく、喘息患者さんではコントロールが悪化して息切れ・セキ・喘鳴などの症状が出現するおそれがあります。

図3
 

スギ花粉症による症状が強く日常生活にも支障をきたす患者さんには「初期療法」がお奨めです。「初期療法」とは、花粉症であることがわかっている患者さんに対して、花粉が飛び始める1~2週間前から抗アレルギー薬の服用を開始する治療のことです。「初期療法」により症状が出る時期を遅らせ、花粉シーズン中のつらい症状を軽くし、また、症状の終了を早めることができます。

新庄内科クリニックでは2014年よりスギ花粉症に対する減感作療法としてスギ花粉舌下薬を用いた舌下免疫療法を実施しています。スギ花粉舌下錠「シダキュア®」(図4)は舌下に投与する減感作療法薬であり、従来から施行されてきた皮下注射による減感作療法と比べ、注射による痛みもなく自宅で治療できるのが特徴です。

気管支喘息やスギ花粉症に罹っていて、コントロールが不良の方はお気軽に新庄内科クリニックに受診してください。

図4

新型コロナウイルス(COVID-19)と喘息(GINA 2021):予防と治療(2021/04/05)

Global Initiative for Asthma(GINA)は喘息の国際指針として世界的に標準となっています。その、新型コロナウイルス(COVID-19)の章をみてみましょう。

【1】新型コロナウイルス(COVID-19)と喘息

1)喘息患者はCOVID-19に罹りやすいですか?重症化しやすいですか?
喘息患者はCOVID-19に罹りやすいとはいえず、システムレビューによれば軽症~中等症で喘息コントロールが良好であればCOVID-19重症化の証拠は示されていません。

2)喘息患者はCOVID-19に関連した死亡リスクが高いですか?
全般にコントロールが良好な患者はCOVID-19関連死のリスクは高くありません(Williamson, Nature 2020; Liu et al JACI IP 2021)。しかし、COVID-19による死亡リスクは喘息増悪で最近経口ステロイド薬服用した患者(Williamson, Nature 2020)や重症喘息のために入院した患者(Bloom, Lancet RM 2021)で上昇していました。

3)喘息治療で大切なことは何ですか?
良好な喘息マネージメントを継続することが大切です。具体的には良好な症状コントロールを維持すること・増悪リスクを減らすこと・経口ステロイド薬が必要になる状態を回避することです。

4)COVID-19流行中に喘息増悪が増えましたか?
いいえ。2020年には多くの国々で喘息増悪とインフルエンザに関連した病気が減少しました。理由は正確には分かりませんが、手洗い・マスクの着用・ソーシャル/身体的ディスタンスがインフルエンザをはじめとした呼吸器感染症の罹患を減らしたからかもしれません。

【2】新型コロナウイルス(COVID-19)と喘息 - 薬物治療

1)処方されている喘息治療薬、特に吸入ステロイド薬の服用を続けましょう。
重症喘息患者はもし処方されていれば生物製剤や経口ステロイド薬を続けましょう。

2)吸入ステロイド薬はCOVID-19感染を予防できますか?
入院治療を受けているCOVID-19に罹患した50歳以上の患者を対象にした臨床研究では、吸入ステロイド薬を使用している喘息患者は背景に呼吸器疾患のない患者と比較して死亡率が低かったと報告されています(Bloom, Lancet RM 2021)。

3)全ての患者が以下の内容を含む喘息アクションプランを記載された印刷物を持っていることを確かめましょう。
喘息のコントロールが不良になった際にコントローラーやレリーバーの治療を増やします。
重症の喘息増悪の際には、適切なタイミングで経口ステロイド薬を短期間服用します。

4)COVID-19感染が拡がらないようにできるだけネブライザーの使用は控えましょう。
生命に危険がおよぶ増悪を除いて、スペーサー付きのpMDIを使用して吸入しましょう。
必要であればマスクやマウスピースをスペーサーに取り付けましょう。

【3】新型コロナウイルス(COVID-19)と喘息 – 感染予防

1)COVID-19に罹っている、あるいは、疑われる患者、および、その地域でCOVID-19が流行している際には呼吸機能検査を避けましょう。
呼吸機能検査が必要な場合には、空気・飛沫・接触感染予防策を講じましょう。
呼吸機能の情報が必要な場合には、自宅で患者にピークフローをモニターしてもらうことを考えましょう。

2)飛沫が発生する医療行為が必要な場合には厳密な感染予防策を講じましょう(ネブライザー、酸素療法、喀痰喀出、人工呼吸、非侵襲的換気、気管挿管)。

3)最新の地域の情報を取り入れ、衛生管理や個人防護具の使用に関してはその地域の保健所の助言に従いましょう。

【4】新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンと喘息

1)喘息患者を対象にCOVID-19ワクチンは臨床治験を実施されていますか?
はい。多くのタイプのCOVID-19ワクチンが世界中で使われています。
しばらくすれば、喘息患者を含むCOVID-19ワクチンに関するエビデンスが発表されるでしょう。

2)アレルギー体質の患者にCOVID-19ワクチンは安全に使えますか?
通常、ワクチンに対するアレルギー反応は稀です。
ファイザー/ビオンテックとモデルナ製COVID-19ワクチンはアナフィラキシー反応が起こった場合に対処できる医療機関で接種すべきです。
これらのワクチンはポリエチレングリコールなどのワクチン含有物に対して重篤なアレルギー歴のある患者への接種は避けるべきです。
患者さんは、いつもどおり、気になることがあれば医療関係者にその旨を伝えましょう。

3)一般的なワクチン接種に関する留意事項があてはまります。
患者のワクチン含有物に対するアレルギー歴を尋ねましょう。
患者が発熱や他の感染症に罹った際には、それが治るまでワクチン接種の時期を遅らせましょう。

4)現在のところ、リスクとベネフィット、および、上記留意事項に基づきGINAは喘息患者さんにCOVID-19ワクチン接種を推奨しています。

5)COVID-19ワクチン接種と生物製剤
生物製剤とCOVID-19ワクチンを同じ日に投与しないようGINAは推奨しています。それによって、副反応がみられた場合にどちらの医療行為によるものかの鑑別が容易になります。

6)COVID-19ワクチン接種後
米国CDCは現在COVID-19ワクチン接種を2回済ませた後も人混みではマスク着用を続けるよう推奨しています。

7)インフルエンザワクチン
喘息患者は毎年インフルエンザワクチンを接種すべきです。
COVID-19ワクチン接種とインフルエンザ接種の間隔をCDCは14日間空けるよう推奨しています。

「アレルギーポータル」のご紹介(2020/02/25)

平成26年にアレルギー疾患対策基本法が成立し、平成29年に大臣告示された基本指針に基づいてアレルギー疾患対策が進められています。

「アレルギーポータル」のご紹介(2020/02/25)

この基本指針の第二(2)ケで、「国は、関係学会と連携し、アレルギー疾患の病態、診断に必要な検査、薬剤の使用方法、アレルゲン免疫療法(減感作療法)を含む適切な治療方法、重症化予防や症状の軽減の適切な方法並びにアレルギー疾患に配慮した居住環境及び生活の仕方といった生活環境がアレルギー疾患に与える影響等に係る最新の知見に基づいた正しい情報を提供するためのウェブサイトの整備等を通じ、情報提供の充実を図る。」と示されています。そのため、厚生労働省と日本アレルギー学会とが連携し、平成30年10月に「アレルギーポータル」というウェブサイトを開設しました(https://allergyportal.jp/)。このウェブサイトは厚生労働省補助事業「アレルギー情報センター事業」の一環として日本アレルギー学会が運営しています。

インターネットに限らず雑誌や書籍などにもアレルギー疾患に関する膨大な情報があふれていますが、出所が不確かな情報、古い情報、間違った情報なども含まれています。その中から信頼できる適切な情報を選択するのは難しい状況にあります。

「アレルギーポータル」を活用することで、アレルギー疾患の予防・治療・管理に関する正しい最新の知識を身につけることが可能になります。

セキと胃食道逆流症(GERD)(2018/01/09)

最近、胃食道逆流症(GERD)が長引くセキの原因の一つであることが徐々に明らかになってきました。また、喘息(BA)や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった慢性呼吸器疾患の患者さんでGERDを合併しているグループはGERDの合併のないグループに比べてセキと関連した症状スコア(LCQ)が悪いばかりでなく、COPDのコントロール状態も不良であることが分かってきました(図1)。

図1
セキと胃食道逆流症(GERD)(2018/01/09)

(Shirai T, et al. Real-world effect of gastroesophageal reflux disease on cough-related quality of life and disease status in asthma and COPD. Allergol Int 2015; 64: 79-83.)BA:気管支喘息;COPD:慢性閉塞性肺疾患;FSSG:Frequency Scale for Symptoms of GERD(GERDの症状スコア、いわゆるFスケール);LCQ:Leicester Cough Questionnaire(咳の症状スコア);ACT:Asthma Control Test(喘息症状スコア);CAT:COPD Assessment Test(COPD症状スコア)。FSSGとCATは症状が悪いほど点数が高い。LCQとACTは症状が悪いほど点数が低い。

図1の説明:喘息ではGERDの症状スコアが高いほどセキがでやすい(有意な負の相関を認める);COPDではGERDの症状スコアが高いほどセキがでやすく(有意な負の相関を認める)、GERDの症状スコアが高いほどCOPDによる症状が強い(有意な正の相関を認める)。

セキと胃食道逆流症(GERD)については新庄内科だより(平成30年1月号)
にみなさまに有益な情報をお届けします。参考にしてください。