禁煙治療の概要
禁煙治療の概要
(禁煙治療のための標準手順書第4版P.19より一部改変)
禁煙治療の対象となる方は以下の4条件にすべて該当する必要があります。
(1) 直ちに禁煙しようと考えていること
(2) ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)が5点以上であること
(3) ブリンクマン指数(1日喫煙本数X喫煙年数)が200以上であること
(4) 禁煙治療を受けることを文書により同意していること
1.どんな治療をするの?
受診時期 |
治療内容 |
治療前の問診・診療 |
禁煙治療のための条件の確認 |
初回診療 |
(1) 診察
(2) 呼気一酸化炭素濃度の測定
(3) 禁煙実行、継続に向けてのアドバイス
(4) 禁煙補助薬の処方 |
再診1(2週間後) |
再診2(4週間後) |
再診3(8週間後) |
再診4(12週間後) |
2.費用はいくらかかるの?(診療所で院外処方した場合の例)
|
パレニクリンの場合
(治療12週間、薬剤12週間) |
ニコチンパッチの場合
(治療12週間、薬剤8週間) |
費用 |
自己負担額
(3割負担として) |
費用 |
自己負担額
(3割負担として) |
診
療
所 |
初診料+再診料
ニコチン依存症管理料
院外処方せん料 |
7,181 円
9,162 円
2,591 円 |
5,677 円 |
7,181 円
9,162 円
1,943 円 |
5,486 円 |
保険
薬局 |
調剤料
禁煙補助薬 |
5,696 円
35,867 円 |
12,467 円 |
2,667 円
19,743 円 |
6,724 円 |
合計 |
60,496 円 |
18,143 円 |
40,696 円 |
12,210 円 |
※表示料金は全て消費税が別途かかります。
3.禁煙の薬ってどんなくすり?
禁煙のための補助薬であるニコチンパッチ、ニコチンガムまたはバレニクリンが使えます。これらの薬は禁煙後の離脱症状をおさえ、禁煙を助けてくれます。バレニクリンは喫煙による満足感をおさえます。ニコチンパッチ、ニコチンガムを使うと禁煙の成功率が約2倍、バレニクリンを使うと約3倍高まります。
バレニクリン |
ニコチンパッチ |
ニコチンガム |
・健康保険が使えます。
・ニコチンを含まない飲み薬です。
・禁煙時の離脱症状だけでなく、喫煙による満足感も抑制します。
・禁煙を開始する1週間前から飲みはじめ、12週間服用します。 |
・健康保険が使えます。
・ニコチンを皮膚から吸収させる貼り薬です。
・毎日1枚皮膚に貼り、離脱症状を抑制します。
・禁煙開始日から使用し、8週間の使用期間を目安に貼り薬のサイズが大きいものから小さいものに切り替えて使用します。 |
・薬局薬店で購入します。
・口の中の粘膜からニコチンを吸収させるガム製剤です。
・タバコを吸いたくなった時に、1回1個をゆっくり間をおきながらかみ、離脱症状を抑制します。
・禁煙開始日から使用し、12週間の使用期間を目安に使用個数を減らしていきます。 |
ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)
TDSスコア(0点~10点)が、5点以上をニコチン依存症と診断します。
1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
はい(1点)・いいえ(0点)
2. 禁煙や本数を減らそうと試みてできなかったことがありますか。
はい(1点)・いいえ(0点)
3. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコが欲しくて欲しくてたまらなくなることがありましたか。
はい(1点)・いいえ(0点)
4. 禁煙したり本数を減らそうとしたとき、次のどれかがありましたか。(イライラ・神経質・落ち着きがない・集中しにくい・憂鬱・頭痛・眠気・胃のむかつき・脈が遅い・手のふるえ・食欲または体重増加)
はい(1点)・いいえ(0点)
5. 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸いはじめることがありましたか。
はい(1点)・いいえ(0点)
6. 重い病気にかかったときに、タバコはよくないと分かっているのに吸うことがありましたか。
はい(1点)・いいえ(0点)
7. タバコのために自分に健康問題が起きていると分かっているのに吸うことがありましたか。
はい(1点)・いいえ(0点)
8. タバコのために自分に精神問題が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか。
はい(1点)・いいえ(0点)
9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
はい(1点)・いいえ(0点)
10.タバコが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かありましたか。
はい(1点)・いいえ(0点)